特集:
2008/05/17 日記M&A
M&A(''Mergers and Acquisitions''、(合併と買収)の略、エムアンドエー、エムエー)とは企業合併|企業の合併・買収を総称して言う。他の企業を取得しようとする際には買収者やその子会社などに吸収合併させるほか、買収先企業の株式を買収して子会社化する手段が用いられることからおよそ企業の取得という効果に着目して合併と取得を総称するものである。M&Aは新規事業や市場への参入、企業グループの再編、業務提携、経営が不振な企業の救済などを目的として実施される。広義には包括的な業務提携やOEM提携なども含まれる。日本法上の概念としては企業合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式公開買付などの法的要素が核となるがこれらの各要素は対象企業のコントロールを得る手段として捉えられ、M&Aという場合には利用する手段のデザインを含めた企業戦略を把握する概念として用いられることが多い。概要
企業の買収合併は年々増加傾向にありその目的は様々であるが、主な目的は国内・国外における国際競争力の強化や国外進出を容易にするためなど国際的なマーケット拡大に伴う生存競争と事業拡大のために用いられる傾向があり、買収の規模も拡大傾向にある。国内では中小企業の後継者問題などで特にM&Aが用いられている。また大型スーパーマーケット業界、コンビニエンスストア業界、銀行業、情報通信業、衣料品業界、製紙業界などで大型の事業再編・M&Aなどが盛んに行われている。
最近ではWebサイトに特化したM&A、サイトM&AもされるようになりサイトM&Aもしくはサイト売買という名称で活発に行われている。企業買収の基本的な仕組み
会社の「所有」と経営陣
企業が株式会社などの会社である場合、日常的な経営は代表取締役や取締役などの経営陣が行っているが企業の「所有」権は株主などの出資者(オーナー)が有する。株主は株主総会の場で経営陣たる取締役を選任して大局的・究極的に会社のコントロールをする。企業買収とは、一般的には買収者は現在の株主から株式を買い取って新たに株主となり、その会社の「所有」者として経営をコントロールする。株主となれば株式への配当などによって、会社の利益の分配を受けることで「所有」者としての経済的な直接のメリットも受ける。いわゆるオーナー企業で経営者と株主が同じ場合を除き、経営陣は株主に選任されて会社運営を任された立場に過ぎない。買収提案時点での経営陣はそれまでの株主に経営を任された者であるから、買収によって株主が変動することは自らを選任した者たちが株主でなくなることを意味する。取締役は選ばれる立場に過ぎず、本来直接株主の異動に意見を述べる立場にない反面、実際にはポジション維持のためには重要な利害関係を有する出来事となる。ただし、この後者の利害は会社のための利害ではなく個人の利益に過ぎない。経営陣が買収提案に意見を述べるのが正当化されるのは、会社の経営に携わりその内実に最も詳しい立場にある者として現在の株主に対し、買収提案が妥当なものかどうかについての意見を述べるものとして位置づけたときである。ごく端的に言えば自分の立場が危うくなるから反対するのではなく、株主にとって買収提案に乗ることはメリットがないからやめたほうが良いという現場からのアドバイスという位置づけにすることで取締役は買収提案に反対してもそれが私利私欲に基づくものではないということができることになる。 株式の保有割合
株式は細分化された上で複数の株主に保有されることが予定されており、通常は発行済み株式総数や各議案について行使可能な議決権を有する株式数との関係で割合的に会社の「所有権」を取得することになる。取締役の選任など通常の株式会社の議案については発行済み株式総数の過半数の議決権を有する株主の賛成で承認されること、また会社にとって重要な合併の承認・定款の変更などについては同じく3分の2以上の議決権を有する株主の賛成で承認されることから、会社の株式の保有割合については過半数を有しているかどうか、3分の2以上を有しているかどうかが会社の「所有」に関する区切りとなりうる。また、そこに至らなくても3分の1以上の議決権を有している場合には意に沿わぬ重要決議を阻止することができることとなる。 会社=会社株式の買収
買収者は株式を現在の株主からの相対取引(個別交渉)により取得することができるほか、公開会社の場合には証券取引所などのマーケットにおいて対象企業の株式を取得することができる。ただし、特定企業の株式を一定割合以上取得するときには大量保有報告書などの証券取引法(金融商品取引法)上の規制を受けることとなるほか、一定の場合には株式公開買い付け|公開買い付けの方法によることが義務付けられるなどの制約が課されることとなる。公開買い付けは買収提案者が条件を公表しつつ広く一般株主から買い付けを行うものであり、それに現在の経営陣が同意する場合には上場企業の場合には適時開示の一環としてその旨を買収先企業も公表することが必要とされることから、少なくともこの時点で買収の取り組みは公然のものとなりその枠組みがいわゆる敵対的買収なのか友好的買収なのかが明らかになる。M&Aの代表的な手法
企業合併(吸収合併・新設合併)
株式交換・株式移転*買収
株式の取得
営業の譲受*会社分割|分割(吸収分割・新設分割)一般的な友好的M&A取引の進め方
基本合意書
デューディリジェンス
クロージング
M&Aの例
2000年以降に行われた大規模M&A(取引額順)[http://www.manda-institute.org/en/statistics-top-m&a-deals-transactions.htm]
敵対的買収
敵対的買収(hostile takeover)とは対象会社のその時点の経営者に対して友好的でない買収をいい、通常は買収対象会社の取締役会による同意が得られていない買収を言う。経営陣が買収提案に同意しない場合には買収防衛策の導入が図られたり、株主に対し会社経営陣として買収提案に応じないよう働きかけが行われたりすることから買収の成否をめぐって買収提案者と会社経営陣などを中心に激しい競争がなされることとなる。表現はイメージが良いものではないが、敵対的買収という文脈での「敵対的」との表現は現経営者と買収提案者が「敵対的」なことを意味するだけであり買収の提案内容とは中立的なもので、株主や投資家・従業員・社会一般にとって敵対的・有害な買収であることなどを意味しているものではない。
日本における実施例
これまで日本においてなされた敵対的買収の例としては以下のものがある。*ミネベア v. 三協精機(1984〜1988年)
:高橋高見が率いるベアリングメーカーのミネベアが精密機械メーカー三協精機の株式を取得。しかし、三協側の安定株主工作により買収は不成立。
:買収は不成立。昭栄は後に村上ファンドが提案していた不動産の有効利用などを実施した。''昭栄#日本初の敵対的TOB''も参照。
:買収は不成立。剰余金を配当金として拠出し株主価値を向上させる事によって既存株主の協力を得た。
:買収は不成立。剰余金を配当金として拠出し株主価値を向上させる事によって既存株主の協力を得た。
:買収は不成立。買収防衛策導入済みの企業に対する買収提案で注目を集めた。
:''ニッポン放送の経営権問題#鹿内後の混乱 敵対的な企業買収を参照。''
:''東京放送#TBS株をめぐる動きを参照。''
:買収のターゲットとなった後、阪急ホールディングスとの経営統合を発表し鉄道業界再編に繋がった(現:阪急阪神ホールディングス)。
:買収は不成立。事業拡大を目的とした買収提案だった。イオン (企業)|イオンを含め三社の提携で落ち着いた。
:2006年5月ごろより水面下で北越側へ打診するも北越側は応じなかった。その後北越は三菱商事に対する第三者割当増資を発表した。王子製紙は2006年8月に第三者割当増資の実施の有無に対応した価格でのTOBを発表。両者の主幹事であった野村證券が王子側のアドバイザーになったことも注目された。これは提案公表時の市場価格を3割程度上回る価格での公開買い付けを行うなど既存株主へメリットがあることを指摘しての提案だったが北越製紙の取締役らは同意せず、三菱商事以外にも日本製紙が介入したこともあり、王子製紙はTOB成立を断念した。
:スティール・パートナーズは10月27日に明星食品に対して公開買付けを開始したが、その後日清食品による友好的TOBが実施されたこともありスティールのTOBは失敗に終わる。その後、スティールは日清のTOBに応札している。
:下記#ブルドックソースの買収防衛策及びブルドックソース事件の項を参照
:国内上場会社では初の敵対的TOB成立となった。敵対的買収への対応
もともと日本では企業間での株式の持ち合いという慣習により、企業買収は困難な状況であった。持ち合いは取引先の企業・金融機関などとの間で見られる。取引先の企業・金融機関では取引関係の安定・継続の目的と相互株主保有の自社にとってのメリットが認められてきた。また保険会社、従業員の持ち株会などに安定株主にも安定株主の役割が期待されてきた。さらに個人株主にも長期安定保有を促すため株主優待などの仕組みが発達した。しかしデフレ不況が続くもとで企業の保有資産の効率化の視点から、保有資産としての株式の収益性の悪さ、継続的取引が企業間の競争的な効率性の改善に支障になることなど持ち合いについてマイナス面に限った指摘が増えた。また時価会計の導入によって株式保有の資産価値が変動するようになり、株式保有のリスクが表面化するようになった。系列取引については長期継続取引を前提にして設備投資を促したり、品質の確保を促しやすいなど多くのメリットがある。しかし外国資本や新興企業が市場に取引に新規参入するには新たな参入を促し市場競争を促進するうえで大きな障壁と写った。調達企業側にとってもデフレ不況の深刻化のなかで従来の取引関係にとらわれず調達先を広げたり値引き交渉を行い、大幅なコストダウンを図ることが重視された。これらの様々な理由から、株式持ち合いの解体が主張されるようになった。しかし近年企業買収の制度が整備されるなか、個人株主の長期保有を促すことと合わせて株式持ち合いの強化が注目されている。それは必ずしも明示的な宣言の要素を伴わず、市場に対して大きな影響を与えずに進められる防衛策だからである。具体的には、企業間の取引関係の強化を表向きの理由として第三者割当増資を行うといったやり方で実施されている。これに対して近年議論の俎上に上がる「買収防衛策」といわれるものは特定の「買収防衛策」の導入の発表といった宣言的要素を伴うため、市場からの反応を招きやすい。一般に株式市場は経営者の地位を守るだけの防衛策に否定的反応を示すとされる。そこで株主総会での承認手続きが重視されるのである。またもう一つ重視されるのは買収防衛策を発動する条件である。多くのケースでは経営陣から独立した委員会が、買収者の狙いが企業価値を損ねると判断することを発動条件としている。このように買収者の意図を確認して、防衛策の発動を決めることを事前警告型と呼んでいる。この場合、買収者の定義としては15%あるいは20%を取得したものとし、経営陣から独立した委員会の意味は経営陣を含まない社外メンバーとするものが多い。具体的買収防衛策としては以下にみるポイズンピル型が多い。既存株主に対して無償で新株予約権を交付するものが多い。ただし、新株予約権を交付すると既存の株主権の希薄化(株式の希薄化)につながることへの批判もある。そこで信託銀行にあらかじめ新株予約権を発行しておき、発動条件が満たされたときに信託銀行経由で株主に新株予約権を交付する仕組み(ライツプラン)も開発されている。このような買収防衛策の議論に対して、そもそも企業が買収の脅威にさらされるのは実現できる株価に比べて高株価が実現できていないためであるとして、企業価値の向上を図ることが最良の買収防衛策であるとの議論も繰り返されている。このような議論では株主への利益還元を図ること、たとえば増配や自社株買い取りを進めることなど株価向上のための施策が企業買収防衛策として指摘されることもある。いわゆる買収対抗策(企業買収防衛策)
以下では有名な防衛策・予防策を紹介する。それぞれ導入費用、会社法上のリスク(差止めや役員の損害賠償責任など)、税法上のリスク、実効性に関するリスクなどはさまざまであり、個々の会社の特性に応じて使い分けがなされる。以下の他にも株式の配当金を非常に高額に設定して既存株主に株を安易に売らないようにアピールするやり方などもあるが、基本的には情報を開示し常に株主の期待に応え、高い株価を保っていることが重要となる。
ゴールデンパラシュート
「黄金の落下傘」の意。買収後、現在の取締役は解任されることが多いが、その取締役の退職慰労金の額を高額に設定しておく。それにより買収後の出費が多いことから、買収を思いとどまらせるもの。退職慰労金の額の目安は取締役の年収の約2、3年分ぐらいであるが、高額な場合には投資家からの批判に晒されることがある。 ティンパラシュート
「ブリキの落下傘」の意。買収された後、人員整理などで従業員が解雇されることが多いことを利用した方法で従業員の退職金の額を非常に高く設定しておく。それにより買収したとしても後の出費が多いということを見せつけて、買収を思いとどまらせるやり方。 絶対的多数条項
買収した後、取締役解任などの特別決議の可決資本割合を80%や90%のように上げておき簡単に可決できないようにするやり方。 第三者割当増資
いざというときの防衛策。予防策ではない。2005年3月のライブドアとニッポン放送での出来事で有名になったやり方で新規に株を発行する増資という方法を用いる。それにより全体の発行済株式総数を上げ、買収する企業の持ち株割合を下げて買収されないようにするやり方。通常の公募増資とはことなり指定された第三者のみが新株を購入することができるほか、市場の取引価格と比べると非常に安く購入できることが多い。すなわち、実質的な利益の供与でもある(たとえば1株100万円の株をXに対して1株1万円で割当増資を行えば、Xは99万円の利益を得たことになる。またX以外の者がもつ株式の価値を希薄化し損害を与え、投資家保護を主眼とする金融商品取引法|証券取引法違反の疑いが強い)ため乱用すべきではないと言われる。 ポイズンピル
毒薬条項とも呼ばれる。新株予約権を予め発行しておき一定の条件が満たされると廉価でそれを行使可能にさせ、買収する側の持ち株比率を下げる仕組み。アメリカ合衆国|アメリカでは新株予約権付株式を用いて行われる。日本では商法|旧商法下では新株予約権付株式は認められていなかったので、信託型ライツプランが最も幅広く用いられていた。2006年5月1日施行の会社法|新会社法の下では取得請求権及び取得条項の取得対価として新株予約権をつける事が法律上可能となり、事実上の新株予約権付株式の発行が可能となったので今後の日本における買収防衛策に利用される可能性がある。ポイズンピルとライツプランは同義ではないが、日本ではほぼ互換的に用いられる。
ブルドックソースの買収防衛策
ブルドックソースの2007年定時株主総会で導入が承認された買収防衛策は、事前に用意した制度でない点で典型的なポイズンピルとは異なるが新株の発行により買収者の持ち株比率の低下を企図する点で類似する。この買収防衛策は基準日(2007年7月10日)時点の株主に対し、保有1株あたり3株の新株予約権を無償にて付与するものである(ここでいう株主には買収提案者も含まれる)。この新株予約権は1円の払込みにより1株の普通株式の取得が可能だが、買収提案者であるスティール・パートナーズ・関係者・譲受人などは非適格者として指定され、予約権の行使はできないほか非適格者の新株予約権は396円で買い取る権利を会社は有している。この価格は公開買付価格をもとに買収者に経済的損失を与えない価格と会社は説明する『当社定時株主総会特別決議に基づく新株予約権無償割当てに関するお知らせ』(PDF) 2007年6月24日 ブルドックソース公式。この新株予約権無償割当ての差止めを求める仮処分の申立てがなされたが2007年6月28日、東京地方裁判所(鹿子木康裁判長)は株主総会の判断が明らかな合理性を欠くとは認められず著しく不公正ではないとして却下した株主総会決議禁止等仮処分命令申立事件決定 平成19年6月28日 東京地方裁判所民事第8部 裁判所公式。スティール・パートナーズはこの決定を不服として即時抗告を行ったが、東京高等裁判所(藤村啓裁判長)は7月9日、過去に手がけたTOB事例からスティール・パートナーズを濫用的買収者と認定、ブルドックソースが導入した買収防衛策を著しく不公正な方法によるものではない、として東京地方裁判所の決定を支持する決定株主総会決議禁止等仮処分命令申立却下事件に対する抗告事件決定 平成19年7月9日 東京高等裁判所第15民事部 裁判所公式を行った。スティール・パートナーズは特別抗告・許可抗告の申立てを行い7月27日、東京高等裁判所は最高裁判所への抗告を許可したが最高裁判所は8月7日、抗告をいずれも棄却した『新株予約権発行差止仮処分命令申立てに係る特別抗告及び許可抗告の棄却について』 ブルドックソース 2007年8月7日。''最高裁決定の詳細はブルドックソース事件で''7月11日には買収防衛策の発動として、株主に対し新株予約権が実際に付与された。この新株予約権に基づき8月9日に新株が株主に交付された。株主のうち、スティール・パートナーズが有する新株予約権はブルドックにより買い取られた『当社新株予約権の(一部)取得に関するお知らせ』ブルドックソース株式会社 平成19年7月24日。 スタッカードボード
期差選任取締役(会)の意。取締役の任期を全員2年ずつではなく半数ずつ改選されるようにして時間を稼ぐやり方。このやり方は投資家からの批判が強く、使い勝手が悪い。その理由として投資家が期差選任が取締役のモチベーションを下げる可能性を危惧しているからである。 黄金株
重要な株主総会の決議事項について拒否権を有する株式を信頼できる第三者に対して発行することで、買収のために必要な決議を妨害するもの。会社法施行により導入が可能となり、東京証券取引所の上場企業などの公開企業でも株主総会の決議で無効にできることなどの一定の条件付きであれば導入が可能となっている。 全部取得条項付株式
会社法により少なくとも条文上は導入が可能となるもの。全部取得条項付株式は取得条項付株式の場合と異なり、取得の際に株主総会及び法定種類株主総会での取得決議を要すると言うデメリットを持つ代わりにその決議の際に取得対価を設定すればよいので、全部取得条項の設定の際に取得対価を設定する必要がないというメリットがある。会社法になって導入されたもので、買収防衛にどのように用いられるかはまだ未知数な所が多い。レックス・ホールディングスのMBOにおいてこの手法が活用された。 事前警告型
買収がなされようとしたときには一定の防衛策を採る旨を予め警告しておくというもの。 マネジメント・バイアウト
MBOと略される。経営陣が株式を取得して閉鎖会社としてしまうもので買収防衛策としては端的で究極的なもの。株式の上場とは第三者の自由な株式取得を認めることであることから、上場廃止にすることは経営者にとって望ましくない者が株式を取得することに真正面から対抗する方策となる。 焦土作戦
スコーチド・アース・ディフェンスともいう。会社の持っているクラウン・ジュエル(財産的価値の高い物)を関連会社などに売却するなどにより、会社の価値を大きく下げて買収するメリットをなくす方法。企業価値が下がれば、敵対買収者の関係のみならず会社債権者の債権の引当てとなる財産を毀損することにもなりかねないため、場合によっては企業の利益を追求すべき取締役が会社に対して意図的に損害を与える背任罪(5年以下の懲役又は50万円以下の罰金)を犯すこととなり、特別背任罪(10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金)になると考えられる。 ホワイトナイト
「白馬の騎士」の意。買収される企業にとって友好的な第三者(企業)のこと。自社株を買収してもらう場合や買収する企業に逆買収をかける(パックマン・ディフェンス=後述)場合もある。 パックマン・ディフェンス
逆買収ともいう。敵対的買収を受けた企業が買収提案者を逆に買収することで、自社が買収提案者の現在の経営者のコントロール下に入ることを妨げようとすること。ゲーム(パックマン)において、追われる立場のメインキャラクターが一定の場合には逆に追手を食べて反撃することに由来する。 ジューイッシュ・デンティスト
情報工作・PR戦術を中心とする防衛策。買収を仕掛けてきた企業の社会的弱点をマスコミ等を用い広めることで、イメージダウンを図り社会的信用を貶め、買収工作資金を社会的信用度を回復するために回すことで買収をやめさせる工作。アラブ資本の会社が歯科器具メーカーを買収しようとした際に被買収企業側(アメリカの歯医者にはユダヤ人が多いとされている)が広報戦略を行なったことに由来すると言われている。買収対抗策の発動の是非・関連法令の整備
一般に買収対象会社の取締役などの経営陣が買収提案者による提案に同意しなかった場合には、買収対抗策の発動が検討される。この場合、買収対抗策を実際に発動することが買収対象会社の株主の利益との関係上、法令上認められるかどうかについては争いとなることが多い。アメリカにおいては多発する敵対的買収事案および買収対抗策の発動により、判例上ないしは実務上認められる買収対抗策の範囲が順次確立されてきている。その基準として代表的なものにレブロン基準、ユノカル基準などがある。企業買収防衛策に対しては経営者を過剰に守ることとなり株主の利益を損なうのではないかとの疑問が出されることがある。そのため取締役会での決議だけで防衛策導入を決定することには批判があり、導入には株主総会での承認などの一定の手続が必要と考える意見がある。日本においてはこれまで敵対的買収がなされた例に乏しく、判例上の蓄積などが十分とはいえない。アメリカでの議論を参考にしつつ、また日本における会社法実務との兼ね合いを意識しつつ議論が進められてきている。
新株予約権の発行に関する東京高裁の決定(ニッポン放送の事例)
2005年3月23日に下された決定の中で東京高等裁判所は取締役などの買収対象会社の経営陣が買収対抗策を講じても構わない敵対的買収者として具体的に4つの例を示している。*会社経営に参加する意思がなく、株価を吊り上げた上で会社関係者に高値で買い取らせようとする場合(グリーンメーラー)
買収防衛策に関する指針
2005年5月27日には経済産業省の主導による企業価値研究会が「企業価値報告書」を作成・公表し、これを踏まえ同日、経済産業省・法務省による指針が発表された『企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針』 経済産業省・法務省 2005年5月27日。この指針には法的拘束力はないものの、経済産業省のみならず法務省によって行動規範として用いられることが期待されているなど一定の影響力を有するものとして捉えられている。上記指針においては取締役が買収対抗策を導入することについて、「意思決定機関としての株主総会は機動的機関とは言い難いから、取締役会が株主共同の利益に資する買収防衛策を導入することを一律に否定することは妥当ではない」と指摘した上で買収対抗策の導入、行使、廃止に当たっては以下の原則を充足すべきものとした。
会社法の制定
また2006年5月1日には株式会社などの会社を規律する法律として、従来の商法その他の法令に代わり会社法が施行された。会社法の制定により買収対抗策として用いることができる手段に関して新たに規定が設けられるなど、M&A実務に影響を与えている。 金融商品取引法(旧証券取引法)の改正
従来の証券取引法を金融商品取引法との名称に改め対象取引を拡大し、一部規制を強化する改正が2006年6月に成立した。各改正の施行は段階的に行われつつあるが、その中には公開買付け制度の改正、強制公開買付けの適用拡大、大量保有報告制度の改正などM&A実務に影響する改正が含まれている。関連文献
関連人物(弁護士)
脚注
関連項目
外部リンク
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